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歌壇賞に落ちたやつ

こんにちは。そういうことです。



  かなしいからだ


水切りの回数を比べるようにふるさとのこと言いあっている


川底はやさしいほどに急流で足のかたちをなぞって過ぎた


書き初めにその字を選ぶ君だから夜の明かりがすこしだけ増す


「なるほど」を「好き」の代わりにつぶやく日 君が夢中な人をしりたい


理不尽な優しさばかり浴びている 愛より赤いオレンジジュース


東雲の空に本屋はつつまれて経年劣化がはじまってゆく


人として人の倫理を棄ててゆく ネオンの灯る一瞬に闇


抱きしめてと言ってはじめて抱きしめてくれる両手の震えを想う


自転車の鍵を失くしたまま会いにゆけば鳥へと還る陽光


絵の海の奥に一人の漂流者振れない腕が雲を指してる


まなこ閉じその肉叢に触れるとき人とは守られざる溶鉱炉


捏ねてゆく挽き肉のつぶ粗々と嫌いな人を嫌える僕だ


まっすぐな浮気にしよう君のことを愛する人を忘れさせない


風景は雨が隠してくれるからみな下を向く通勤電車


降りたてる屋上が街に満ちていて人は天使を信じてたんだ


壊された蜘蛛の巣ばかり生け垣にからまっている(夕陽はどこへ)


東京にいられるだろうかこの脚で履きなれた靴履き潰すように


奪えない身体をひとつ抱きよせて頬に新たな指紋をつける


何度でもデジャブをやろうルノワール窓側君は砂糖四杯


親が人に子が人になるそのときの公園は声の立体交差


あふれだす言の葉は雪きみの髪にまつ毛に触れて、とけて、みずへ


法律で換言できる関係の僕らがくぐるファミレスのドア


傘いらないくらいの雨で傘をさす 怒りたいけど怒られたくない


終わらせるための口笛吹き終えて化石だらけの土を掘り合う


それはもう宴のような朝でしたビニール紐で吊るすアルバム


ここからはすずしいところひとりでに足は小枝を踏みしめてゆく


取り返すような眼をして手を引いて君が踏み入る飛行機のなか


降りたてば熱波は僕の頬をなで逃避行とは姑息な言葉


髪洗うように頭を撫でる人 僕はあなたがかなしくて好き


怒らない人が正しいこの星でゆっくり間違えたかった僕ら
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