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短歌研究新人賞に落ちたやつ

こんばんは。いつものです。



     レプリカドール          二三川練


アスファルトの下に埋もれた花々の萌芽の鼓動つたう足裏

触れているゆえに寒さを言うべきか 星と星とのあわいにも闇

切れ目ない話のどこで汁そばを食べていいのかわからなかった

銃弾をひゅんひゅん避けて人間をどんどん殺すウサギのアニメ

何もすることがないのでお茶を飲む 数珠のこすれる音がきこえる

湯呑みにも湯呑みの載った茶托にも茶托の載った机にすらも

道ばたで嘔吐している人を見る 4面ボスの倒し方がわかる

八両の電車は長い 食道を液化してゆくソフトキャンディ

誰のでもない手が銀のスプーンでストロベリーシャーベットを掬う

缶ビール呷る乗客その椅子の徹底的なリクライニング

よく生きる たくましく生きる  うまく生きる 書きたいことを少しだけ書く

ひとひらの桜が窓に滑りこみ今は熱海を越えたあたりか

焼鳥の串に張りつく肉片の常に理解は始まっている

一本の木も生えてない森のなか立ちつくしているブランコ職人

吊るされた鳥獣肉(ジビエ)の骨の髄までも桜チップの煙は浸みて

ハローキティ グッバイキティ ハンバーグのなかにはチーズという日常が

少しだけ箸でつつけば汁が出てビールを少し飲みたくなった

森林を最後に見たのはいつだった 家を焼くなら夜が綺麗だ

今日を終え再び今日がやってきて祝日だからプールで泳ぐ

性愛の性を等しく嫌悪する広告塔の乱れなき顔

影よりも淡い体が雪原のすこし凍ったところを歩く

命なき者ゆえ愛(は)しと言うべきか雪にうずまるレプリカドール

その顔をテレスコープで覗いても毛穴一つもありはしないし

プレス機がドールを潰す一瞬の命にふさわしい破裂音

運命と片づけられるそれぞれを片し尽くしてかはたれの部屋

わけもなく悲しいわけもなく嬉しいわけもなく今日は水炊きにする

ばりばりと背中を掻いた掻くほどに夜は背中にはりついてゆく

生命の残滓としての骨であり一つ一つを外して食べる

心さえ無かったならば閉園のしずかに錆びてゆく観覧車

大海のすべての水で血液を洗い落とせるとでもいうなら




終わります。
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